今更ながらに宮崎駿『風立ちぬ』を観た。
藤岡市出身の航空設計者・堀越二郎をモデルとした、
多分、宮崎駿の最後の長編映画。良かった。
少年は夢を見る。そこでは異国の設計士が彼に
「飛行機は戦争の道具ではない。美しい夢だ」と語る。
関東大震災や第二次世界大戦の時代を舞台としながら、
良い人悪い人という対立構造もなく、ただひたすらに
飛行機作りと、最愛の人への愛情が描かれる。
戦争の悲惨さなどの語られなかった部分は
「そこはあなたの経験や主観で埋めなさいよ」
と駿が言っている気がした。
ナウシカのように、何から何まで描かないよもう、と。
上映時間こそ長いが、引き算の映画なのだと思う。
「映画作りは美しい夢だ」
と駿が思ったかどうかはわからないが、
身を粉にして集中と継続を続け、駆けぬけた後の
ひこうき雲は、きっと美しい。

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