2331声 ひこうき雲

2014年08月10日

今更ながらに宮崎駿『風立ちぬ』を観た。

藤岡市出身の航空設計者・堀越二郎をモデルとした、

多分、宮崎駿の最後の長編映画。良かった。

 

少年は夢を見る。そこでは異国の設計士が彼に

「飛行機は戦争の道具ではない。美しい夢だ」と語る。

関東大震災や第二次世界大戦の時代を舞台としながら、

良い人悪い人という対立構造もなく、ただひたすらに

飛行機作りと、最愛の人への愛情が描かれる。

 

戦争の悲惨さなどの語られなかった部分は

「そこはあなたの経験や主観で埋めなさいよ」

と駿が言っている気がした。

ナウシカのように、何から何まで描かないよもう、と。

上映時間こそ長いが、引き算の映画なのだと思う。

 

「映画作りは美しい夢だ」

と駿が思ったかどうかはわからないが、

身を粉にして集中と継続を続け、駆けぬけた後の

ひこうき雲は、きっと美しい。