中之条町に帰ってきたのは夜の9時。
酒を飲む場所はあっても、案外食事目当てで行きたい店は少ない。
あ!駅前のヤクルトがあった場所が飲食店になっている。
窓ガラスには、パソコンで印刷したであろう料理の写真。
お客はいない。なにより驚くのは、店の外から中を見ると、
ソファに店主とその奥さんらしき人が・・寝ている!
その店の名は、「道」。
フェデリコ・フェリーニ監督の『道』は、
死ぬまでにあと3回は観たい名作。
純粋なジェルソミーナの死を知り号泣するザンパノを観て、
「今頃気づくなんてなんて愚かで弱い奴なんだ!」
と憤怒したのは初めて見た時。その後2回観たが、
なぜだか年をとるごとに、ザンパノへの怒りが同情に変わる。
「自分だって、人を傷つけたじゃないか」
という経験が、そうさせるのかもしれない。
・・と、全く関係ない妄想が広がったが、
やってますかと入店し、起きた奥さんが作ってくれたラーメンは、
きちんと野菜や鶏がらで出汁をとっているであろう懐かしい味で、
おいしかった。

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