焼肉あおぞら付近の路上に、スリッパが放置されていた。
1日目2日目はちょこんとそこにあったが、
車に踏まれ、雨に降られ、ずたずたになっていく。
そんなに気になるならお前が処分すればいいじゃないかという話だが、
他の人もそうするようにただ放置し、まだあるな、と傍観していた。
車に同乗した映画監督にその話をすると、
「それって映画的ですよね。」
と、なるほどなぁという返事が返ってきた。
職場に母から電話。
父が倒れたという。
いつも静かな母は、動揺している。
わかった、仕事早抜けして、色々用意していくから、と私。
事情を上司に話し、駆け足で原町日赤病院に向かう。途中のワークマン。
母は父の着替えのシャツや、自分の付添のスリッパは買っただろうか?
もしあれば家で使えばいいじゃない、と、買いこんでバイパスを走る。
途中、スリッパが落ちたことも気づかずに・・・
瞬時に浮かんだそんな妄想。主役は30歳OL。少し影のある美人。
・・・阿呆ですな。
勝手にそんな妄想をされた路上のスリッパは、
今日になると跡形もなく消えていた。
お父さんは無事に退院したんだろう。

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