テレビや雑誌などのアンケートで外国人から見た日本人の印象として、
「礼儀正しく親切」と言う旨の内容が、必ず挙がっている。
そんな日本人の行動の中で、彼らを落胆させるものの一つが、「優先席」だと言う。
電車やバスなどの優先席に、平然と若者が腰かけている光景が、
信じられないと言うのである。
確かに、特に大都市圏にはそれが顕著だと感じるが、日本人なら誰しも、
そんな優先席の光景を見たことがあるであろう。
慢性的になりすぎていて、私もそうであるが、注意もしなければ、
日常において、それを特に気にかけてもいない。
しかし、ごくたまに、席を譲っている光景を目の当たりにすることがある。
それは今日、総武線車両内の優先席でのこと。
座っていた男子高生がすっと立ち上がり、杖をついているお婆さんへ、
席を譲ったのである。
優先席に初めは座っていたと言う部分は差っ引いて、えらいもんだと思った。
さっと、高校生が退いたその席には、薄い陽光が残っており、
一呼吸おいて座ったお婆さんを包んだ。

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