2401声 煙突

2014年10月19日

日差しが降り注ぎ、晩秋とは思えぬ暖かな一日だった。
家の前の桜並木では朝、蝉がほんのわずかな時間だが、
喘ぐように鳴いていた。
群馬に住んでいる頃、このくらいの時期に地方の銭湯を、
回っていたことを思い出した。
真っ青に澄み切った空の下、路地裏をほっつき歩いて煙突を探した。
地図から忘れ去られたような街で、夕暮れにひとり銭湯の湯船に浸かっている郷愁は、
なんとも、「こころをばなににたとへん」と言う心境であった。
あんな寂しさを味わうのは嫌だが、しかし心の奥のどこかが、求めてやまない。