「岩櫃城 忍びの乱」のクライマックスは、やはり信州真田鉄砲隊による
火縄銃の演武だったと思う。広いグランドに真田の赤い甲冑を着た武者が
8~10人か、横並びになり、指揮者の合図で火をつけ、銃(空砲)を放つ。
これが、地面が揺れるくらいの衝撃。打つたびに歓声が上がったが、
僕が思ったのは「いやいやこれが演武じゃなくて現実だったら大変だぜ」だった。
半兵衛は全く見ていないが、大河ドラマも見てきた。黒澤明の武者映画は全てみたと思う。
だから、頭では戦国時代のイメージはできても、肌で感じる銃の震動は別格だった。
僕は臆病な農民上がりの下級兵。岩櫃山のふもと、火縄銃の号砲が鳴り響く。
ズドーンという爆発音と同時に、僕の胸は貫かれる。
「なんじゃーこりゃ?」なんてトボける余裕もない。即死。
忍びの乱では東吾妻町に在住する「日本刀の柄を仕立てる職人」の講演もあり、
参加者の「時代劇では人ばっさばっさ切ってますが、実際は人間の油で刀は
切れなくなると聞きました。時代劇はそのあたりいい加減ですよね?」みたいな
質問に対し、その職人は「腕の立つ武士なら、切った後から血が噴き出し刀は汚れない」
と答えたと言う。
ああ、なんという世界だろうか。不景気だ競争社会だと言っても僕は、
夜になれば炬燵に入って日本酒ちびりと舐められるような、今がいい。
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9月の時に書いた「岩櫃城 忍びの乱」に合わせたミニドラマも公開されています。
ドキュメント路線の自分としてはほぼ初のシナリオ書いての映像制作でした。
観ていただけたら幸いです。 忍びの風、山を駆ける

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