春を感じたのは、回転寿司の店内での事。
おすすめメニューに、「蛤のにぎり」を発見。
蛤の旬は早春。
ひな祭りには、蛤を食べる風習もある。
そんな事を思い浮かべつつ、一皿注文。
流れて来る間に、メニューの端書き、「蛤の効能」に目を通す。
含まれる豊富なビタミンにより、病気に対して抵抗力がついたり、
疲労を防ぐとの事。
骨や歯の成長も促して、特に耳の神経には効き目があると言う。
流れて来た皿を取って、おもむろに一口。
すると、「ガリッ」と、脳天に一閃。
ティッシュを手に取り、奥歯の痛みと耳の衝撃にたじろぎながら、口から出す。
中身を検めると、犯人はどうやら、小さな砂粒らしい。
どうも、蛤に砂を吐かせきっていなかった様子。
「歯の成長も促して、特に耳の神経には効き目」
どころか、酷い憂き目である。
蛤が砂を吐いたかどうか、確かめる術は無いのだろうか。
おかげで、蛤の砂で私が歯痛である。