「ケッ、ケッ、ケッ、ケッ」
裏の田圃から聞こえる、蛙の輪唱に起こされた、今朝。
なめくじの如く、ノソノソと蒲団から這い出て、カーテンを開け放つと、霧雨。
ぼんやりと、鈍い濡光りを放つ、向かいの家の屋根瓦を眺めつつ、考える。
「なめくじ」を、漢字で「蛞蝓」と書ける人は偉い。
偉いけど、一寸、気色悪い。
今、蒲団から這い出た、このなめくじ。
本日、碓氷峠まで這って行き、俳句を創作しなければならないのだ。
窓際で悠長に、薄いカルピスの様な空を、眺めている場合では無い。
主催の私が遅れたんじゃ、洒落にならん。
高崎から碓氷峠まで、さて、間に合うかしら。
・遅刻だよ早く行かなきゃなめくじ君