日本列島に秋雨前線が横たわっている影響で、天候が不安定である。
実家で飼っていた猫が居なくなってしまった。
7月1日に家を出たきり、もう2ヶ月も帰って来ない。
オスなので旅に出ることはあると言うが、
おっとりした猫だったので、
縄張り争いに負けたのかも知れないし、
不慮の事故に見舞われたのかも知れない。
内田百閒の「ノラや」ではないが、飼い主の意気消沈と言ったらない。
先日帰省した際も、初秋の静けさとは違う、空虚な静けさが、
いつも猫の居た部屋を包んでいた。
主を失った小さな座布団や傍らに置いてある猫用缶詰を見ると、
気持ちが沈んでくる。
去年の今時期、庭の芝生で飛蝗など追いかけていた光景が思い起こされ、
庭先の茂みを見ていると、ちょこんと顔を出しそうな気もする。
家を出た私と入れ替わりで来たので、いま3歳である。
都内を歩いていても、似たような猫が路地を横切ると、
「はっ」と足を止めてしまう。

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