2566声 銀河鉄道の夜

2015年10月18日

刊行から80年以上が経つのだという。
宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」は、しかしながら今も
多くの人の心に広がっている。

 

谷村美月が少年に扮する実写版なんてのもあったが、
この映画といえば、ますむらひろし原作のアニメ。
細野晴臣の音楽も今なお印象に新しい。

 

宮澤賢治は鉱物の知識にも長けていた。
この作品が今も愛されるのは、鉱物のように
きらきらした描写や、簡潔な言葉を使いながらも
宇宙のように奥が見えない深い物語性、
他に類をみない作品だからであると思う。

 

10月31日から8日間、中之条町旧廣盛酒造にて、
「秋、酒蔵にて」が開催される。
漆・木・石・鉄・ジャンクアート・料理・酒
県内のクラフト作家による展示販売なのだが、
商売優先というよりは、人間くささ優先、
作家が作ったグラスや皿、良質な食と酒で
宴会をするのが一番のメインという
かなり異色で濃ゆい展示会だ。
このめっかった群馬の(ほ)こと、堀澤さんも
料理担当として毎年参加している。

 

この展示会で面白いのが、
毎年ひとつのテーマを決めて、
使う素材も出来上がる品物も違う
参加作家たちがその年限定の作品を作るところ。
昨年は「郷を辿る」でありその前は「縄文」
そのテーマ展の多分初年度が「銀河鉄道の夜」だった。

 

その様子は僕が撮影させてもらった
映像を見ていただくと幾らかわかると思うが、
朗読や映画ではなく「もの」によって
宮澤賢治の世界観が表現できるのか!と
新鮮な気持ちで見た記憶がある。

 

今年のテーマは「えん(円や縁や宴)」だという。
クラフト好きな方も酒好きな方も人好きな方も
ぜひとも足を運んでいただきたい。