587声 醍醐味行路

2009年08月09日

ホテルで朝食を食べていた。
安ホテルの朝食は、おしなべて、簡易的なバイキング形式である。
しかし、私などは、それでも十分に満足する。
旅中で食べる朝食は、美味しく感じる。
そして、普段よりも食が進む。
欲張っていつも、取り過ぎ食べ過ぎで、苦しむ破目になる。
これで、二日酔いさえなければ、今少し、快食できるのだろう。
私の斜向かいの席に、朝から賑やかな一団がいる。
60年配の夫婦が2組に、80年配のお婆さんが1人。
歓談している声が、明瞭に聞こえるのは、
その声量ではなく、方言の為だと思う。
その一団から聞こえてくるのは、関西弁だったのである。
その抑揚のある言葉尻を聞いていると、自らが旅の空に居る事を、
改めて感じる。
没個性型のバイキングよりも、聞こえてくる言葉の方に、
どうやら旅の醍醐味があった。
即ち、味覚では感じられなかった。
安ホテルなので仕方ないと割り切るが、それも少し、寂しい気がする。
群馬に戻って来て、ひょんな事から、
知り合いの小学4年生になる女子の、お誕生日会に参加した。
ケーキに立つ蝋燭は、10本。
彼女もとうとう、10代の大台に乗った。
これから、人生の醍醐味を味わって行く筈。
前途に並んでいる、色とりどりの料理。
焦らず、欲張らず、美味しそうなヤツを、選べよ。