592声 都会美人or田舎美人

2009年08月14日

PCモニターを睨みつつ、腕組みする事、45分。
一向に、更新に値する内容を着想しない。
随筆家が、創造に窮して回想から着想を得ようとする時は、
こんな気持ちではなかろうか。
なので、昨日を引きずる。
方言、つまり上州弁以外にも、共感を得ない地域文化がある。
まず、食に関してその最たる物が、「焼きまんじゅう」だと思う。
露店などで焼きまんじゅうを焼いていると、漂ってくる煙に、
私などは懐かしい匂いだと感じるが、東京人に言わせれば、得体の知れぬ匂い。
「味噌だれが焼ける香ばしい匂い」と言う意識が無いから、尚更である。
そして、大抵の人が、餡子の入った饅頭が串に刺してあると思うらしい。
中には餡子の入っている焼きまんじゅうもあるが、基本形は餡子無しである。
しかも、まんじゅうと言っても、焼きまんじゅう特有である、
中身ふかふかの素まんじゅうである。
それに、甘い味噌だれをたっぷり付けて、焦げ目が付くまで焼く。
見た目にも、食感にも、さぞ面妖な食べ物だと感じるのだろう。
焼きまんじゅうの本場は、前橋市以南の東毛地区だとされる。
私の住んでいる高崎市は、西毛地区。
焼きまんじゅう文化の熱にも、若干の差異がある。
地域に焦点を当てれば、パスタかと思う。
高崎市は、パスタの店、消費量共に多く、全国でも屈指だと言う。
特筆すべきはその量で、多くのパスタが、通常メニューで山盛り。
これらのパスタは、近年、「高崎パスタ」として括られ、
新たな郷土名物として、名乗りを挙げている。
私も、子供時分からこの高崎パスタを食べて来た。
其れは未だ、パスタなんて洒落た呼び方で無く、
スパゲッティと呼ぶのが主流だった頃。
他の地域で外食した際、注文したパスタの量が少ないと感じていた。
そして、高崎のパスタは味が濃いとも、高崎外パスタとの比較で感じた。
思えばこれも、軽いカルチャーショックである。
現在でも偶に、首都圏に展開するパスタチェーン店などで注文すると、
この差異を感じ事がある。
さしずめ、東京のパスタは、洗練された都会美人。
群馬のパスタは、心優しい田舎美人。
どちらも魅力的で、末永くお付き合いしたい。