594声 夏の寂寞

2009年08月16日

夏の日差しから逃れる様に、近所の図書館へ行った。
館内で、黒沢映画を観賞していたら、肩を叩かれた。
目を覚まして、ヘッドフォンを取って振り返ると、図書館の人。
いつの間にか寝てしまって、閉館時間が来てしまったのだ。
いつもは7時だが、今日は休日で5時までなのを、すっかり忘れていた。
ビデオテープを返却して、図書館から出る。
満車だった駐車場には、ポツンと私の車が一台。
余程疲れていたのだろうか、ひと眠りしたら、
疲労感が一気に増大した感覚がある。
全身倦怠感を背中にしょって帰宅。
自宅にて、麦酒を飲みながら、昨日の俳句を見返しているのだが、
現在時刻20時だと言うのに、もう睡魔の奴がお呼びである。
机の前の網戸からは、「リリリリり」、秋虫の声が聞こえる。
時折カーテンを揺らす風には、もう乾いた涼しさがある。
遠くの闇に、花火の音。
そこはかとなく、寂寞。