596声 上州は利根川の賜物 後編

2009年08月18日

昨日のつづき
その行程の中から、一つ例を挙げる。
そぞろ歩きで、ふらりと立ち寄った、市内に在る土着の中華食堂。
店に入り、注文したラーメンを啜ると、手打ちの縮れた平麺。
コシが強く、醤油スープと良く合って美味い。
私の地元では、中々お目にかかれないラーメンだが、何処かで食べた事のある味。
その後、館林の情報通の方に、このラーメンの話を伺ったところ、館林は栃木県に隣接している為、
栃木の佐野ラーメン系統の流れを組む店が、多くあると言うのだ。
成程、あのラーメンの味は、佐野ラーメンだったのだ。
そして、近年、徐々にその勢力を拡大し、今や県内南東部では珍しく無いらしい。
気になって、先程まで色々と東毛地区の事を調べていた。
この佐野ラーメン系統が分布する、群馬県内南東部から栃木県は、
「両毛デルタ地帯」と呼ばれているのだ。
それにしても、「デルタ地域」とは壮大な印象を受ける。
この言葉を意識したのは、社会科の授業で習って以来である。
「エジプトはナイル川の賜物」
で有名な、ナイル川の三角州であるナイル・デルタや、エジプト文明などが思い出される。
それを踏まえて言うならば、
「上州は利根川の賜物」
話は一杯のラーメンから、文明にまで飛躍する。
だから、街歩きは面白いのかも。