3504声 網戸から

2016年06月12日

昨日の句会のあと、軽くひっかけて帰ったことで拍車がかかり、
作晩はいささか飲みすぎてしまった。
そんな調子なので、句集やら書かねばならぬ雑文などすこしも、
もとい、まったく捗らずに日が暮れてしまった。

 

家の前に桜並木があり、その奥に中学校がある。
夕方、いよいよ手をつけねば抜き差しならぬことになるだろうと、
机に座っていた。
野球部員であろうユニフォームの学生たちが、
丁度、家の前から中学校までダッシュの練習をしていた。
何度も戻っては走り、戻っては走り。
彼らはその最中に、励ましの声を掛け合っている。
その声が、机の前にある二階の網戸から聞こえてくる。
「もっと全力だしていこうぜ」
「ラスト一回頑張ろうぜ」
なんだか蝸牛のように、部屋に逼塞している場合ではないような、
そわそわとした心持になってきて、傍らの財布を引っつかんで外へ出た。
無論、コンビニへ麦酒を買いに行くためである。