2016年06月23日
朝から雨、その後はぐずぐずの梅雨らしい天候であった。 宵の口からは小糠雨が降りだした。 帰り道の街路灯に、大きな白い蛾が止まっていた。 クスサンであろうか。 そう言えばクスサンの幼虫は「白髪太夫」と言う。 太夫とは、遊女や芸妓における最高の位である。 随分と豪儀な呼称の毛虫である。 しかし、「白髪」と言うところにペーソスがある。 だって、白髪の太夫である。 火を恋う蛾の姿と相まって、その名に深いペーソスを感じるのである。