3521声 野の仏

2016年06月29日

市川市で住み暮らすようになってから、とんと見かけなくなったものに、
石仏、特に道祖神がある。
高崎市に住んでいた時分は畦道などでよく見かけ、
倉渕方面に行こうものなら、双体道祖神の宝庫であった。
ほかに、長野県の安曇野でも面白い双体道祖神が沢山あり、
感動した思い出がある。
石仏で感動したと言えば、「万治の石仏」が真っ先に挙げられる。
同じく、長野県は下諏訪町、すなわち諏訪湖のほとりにある。

 

野仏は、なんと言ってもあたりの風景との調和が、
ひとつの醍醐味であろうと思う。
日暮れ時の農道にたたずむ道祖神など眺めていると、
心にじんわりと迫るものがある。
かの芭蕉も、道祖神の招きにもあって取るものも手に付かず、
股引きの破れを繕ったり、笠の紐を変えたり、
三里のつぼに灸を据えたりして、あたふた奥の細道の旅の準備をするくらいである。
やはり石仏に道祖神の中に、詩がその発露があるのである。