夏が来れば思い出す。
に続くのは、遙かな尾瀬遠い空 である。
小学校の間に3~4回だろうか、父と尾瀬に行った。夏の一大イベントと言ってもいいかもしれない。岡安家の尾瀬は、実にリーズナブルだった。まず、夜の7時ころ、中之条の家を出る。深夜には、尾瀬の駐車場に着く。僕はすでに途中で寝入っていたが、シートを倒して父も眠る。それで5時位だろうか、太陽光のまぶしさで目が覚める。それから歩くのである、尾瀬の遊歩道を。そして持参したおにぎりとさんまの缶詰を食べて、夕方には駐車場に戻り、夜のうちに家へ帰る。
父はハーモニカが吹けた。それで、これは確かな記憶か、幼いころの記憶書き換えかはわからないのだけれど、尾瀬で、父が冒頭の「夏の思い出」をハーモニカで吹いた気がするのだ。それはわりと曖昧で、けれど周りは自然一色で、まあなんとなく幸せな情景だったように思う。
この時期になるとふと、そんなことを思い出す。

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