646声 合理的から豪儀的

2009年10月07日

予てより、豪儀な注文に憧れている。
例えば、今日の昼。
田舎町の小さなラーメン屋に入った。
着席し、近頃の出費続きで薄くなっている財布を確認すると、
小銭入れには丁度、500円玉が1枚、100円玉が1枚。
後は札入れに1,000円が1枚。
しかめっ顔を上げて、カウンター上のメニュー表を覗く。
ラーメン定食、800円。
に決めた。
と思ったが、貧乏根性がしゃしゃり出て来て、ブレーキを掛ける。
言い分はこうだ。
「ここでラーメン定食を注文すれば、1,000円札が崩れてしまう」
「だが、ラーメンを単品500円で注文し、
後は店を出てから、コンビニでパンでも買ったらよろしい」
如何にも染みったれている。
とも思ったのだが、合理的な注文方法でもある。
結局、染みったれ注文案を採用し、ラーメンを単品で注文。
後から入って来た、仕事師風体のおっちゃんなどは、
ラーメンの大盛りとチャーハンの注文である。
何食わぬ顔で、ラーメンを啜りつつ計算してしまったが、占めて1,300円。
余念無き涼しげな顔で、惜しげも無く明朗に注文する様は、私の憧れる豪儀。
早速、店を辞してからパンでは無く、弁当でも買おうと思い。
入った弁当屋で、一番安い海苔弁当、290円を注文。
結局は、ラーメン定食と変わらぬ出費になってしまったばかりか、
大分、時間を損した。
一体、何が合理的な注文方法だったと言うのか。
そして、肝心の1,000円札も崩れており、自尊心も大いに崩れた。