3615声 夢の話

2016年10月03日

量こそ飲んだものの、昨夜の宴席の終わりが午後六時であったので、
体への深刻なダメージはなかった。
朝から小雨だったせいか、体に鉛が入っているようではあったが。
瓶麦酒だけ飲んで居れば、どれだけ飲んだかわかりやすい。
などと一本目は頭が働いているのだが、
注いだり注がれたりしているうちに思考がおぼろげになり、
当然、自分の前の瓶の山を数えようともしない。

昨日の宴席では最年少は私であったが、上は九十一歳であった。
同じ卓で麦酒を飲んでいるのだから、つくづく俳句には、
いや、文芸には不思議な力がある。
私は年配者に昔の話を聞くのが好きである。
俳句の話ならば、なおさら。
未来の夢の話よりも、過ぎ去った夢の話の方に心ひかれる。