3624声 町の日当たり

2016年10月12日

最寄り駅付近に、先月、パン屋がオープンした。
確かにパン屋ではあるが、看板を見るにコッペパン専門店らしい。
オープンからひと月は、女子高生を中心に若者たちが行列をなしていた。
それも朝と夕に、である。
丁度、通学の時間帯なのであろうが、それにしても人気がある。
通りがかりに店内を覗くと、なるほど、雰囲気といい、
三百円程度の値段といい、コッペパンのボリュームといい、
若者が魅かれる要素満載であった。
実際、このお店の周辺には、各種のファ-ストフード店があるのだが、
女子はこちらのお店がお気に入りらしい。
斜向かいの交差点にあるケバブ屋にも、夕方によく高校生を見かけるが、
こちらは当然、男子しかいない。
ケバブはケバブで、若者の心を掴んでいる。
どちらも、テイクアウトのお店なので、店の前に群がり、
制服の学生がパンにかじりついている光景には、やはり町の活気を感じる。
そんな駅前通りの素描であるが、私自身はとんと、
そんな日当たりの良いお店に縁が無く、
路地裏の日当たりの悪い店が無くなりはしないかと、気を揉んでいる。