668声 時に蕎麦の時期と相成り

2009年10月29日

今週末はもう11月。
こう寒い時期になってくると、寄席では「時そば」なんて演目が盛んになる。
「時そば」は言わずもがな、上方落語の「時うどん」を、
東京流に「そば」として複写した演目。
「一、二、三、四、五、六、七、八、今何時でい」
「へい、九で」
「十、十一、十二、十三、十四、十五、十六、ごっそさん」
このくだり、この演目が好きな人なら、空で言えるくらいだろう。
そして、演目の一番の見せ場は、
演じる落語家が、蕎麦を手繰る時の描写である。
さも美味しそうに、「ズッズッズーッ」と勢いよく蕎麦を啜る音が、
観客に生唾を飲ませる。
この演目を観ると、「帰りに立ち食い蕎麦を」と思う。
秋の時期。
群馬県内、いや全国的に「そば祭り」なんてイベントを良く目にする。
今週末、あるいは来週末も、蕎麦を啜る美味しそうな音が、
紅葉の山間に響いている事だろう。
そう言えば、先日、栃木県足利市の銭湯の脱衣場で、
11月7日から開催される「足利そば祭り」ってなポスターを目にした。
其処で出会った、地元のおやっさん、毎年楽しみに参加しているんだとか。
「俺は、今年は、自分で天ぷら持ってって、天ぷら蕎麦にして食おうと思ってんだ」
と言う、ささやかな企みを打ち明けてくれた。