675声 寝姿遺伝論

2009年11月05日

私は夢を見ない人間だ。
と言うのは、別にリアリストである事の比喩では無く、
寝ている時に夢を見ないのである。
一年の間で全く見ない訳ではないのだが、人に話を聞くと、
私の場合は夢を観る回数が極端に少ないらしい。
見ているのだけど、朝起きて覚えていないのか。
それも、同じ事である。
夢を見ないのに、寝言は人一倍言っているらしい。
この「らしい」と言うのも、当然、私の場合は夢と寝言が連動していないので、
意味不明な寝言のみを言っている事になる。
女性と寝ている時に、別の女性の名を呼んでしまった。
など、少しは色っぽいエピソードが欲しいのだが、現実はそうもうまくいかない。
大抵は朝起きて、私の寝言の当事者かつ被害者に、「うなされてた」と言われる。
別にうなされている実感も、原因も見当たらないのだが、
兎も角、夜毎様々なうなされ方をしている。
実家では良く親に、「寝ながら謝ってた」と言われた事がある。
「すみません、あー、すみません」
と謝罪しているらしい。
外で寝る時に多いのが、断末魔の叫び系統の声である。
「あぁ〜うぅ〜ぐぅぁ〜」
針の筵に寝ているかの如く、呻いているらしい。
さて、原因は何だろな。
と考えるに、枕が合わない、ストレス、呪い。
等々挙げられるが、私自身、一番有力な線が、遺伝ではなかろうかと考えている。
私の親父が、これまた寝言を良く言うのである。
寝言だけでなく、寝ぞうも恐ろしく悪い。
例えば、深夜に「うぅ〜」と呻きながら、足をバタバタやっている。
エクソシスト状態なのだ。
寝ぞうも良く寝言を言わない母と、寝ぞうが悪く寝言を言う父。
足して二で割って、私には寝言が残った。
それでも、寝ぞうが悪いよりはマシだと思っている。