690声 折れた赤ペン

2009年11月20日

校正を見ている。
今度発売する予定の、「銭湯の本」の校正である。
進行状況をざっくり言うと、現在10分の5割あたりまでは出来ている。
いやいや、4割あたりかな。
書籍化とは言っているものの、私の様な出版素人が自費でやろうってんだから、
時間が掛かる。
そして、その作業の大変さ、手続きの煩雑さを実感している。
原稿作り、写真選定、校正確認などの作業が、一向に進まない。
机上の紙面には、珈琲の染みばかり増えて行く始末。
やがて、堪忍袋の緒、凧の糸、なんでも良いが、兎も角、切れる。
癇癪。
赤ペンをへし折り、そのままコートをひっ掴んで憤然として表へ飛び出す。
そうやって、夜な夜な近所の本屋へ行っては、
目に止まった本の奥付あたりをチラチラと見て、参考にしている。
参考になりそうな本の頁を捲っていて、
「本屋に並んでいる本は、流石にどれも良く出来てる」と、改めて感心する。
いくらか気持ちも落ち着き、コンビニで赤ペンと缶珈琲を買って、家へ戻る。