721声 それぞれの団欒

2009年12月21日

先日。
街の酒処。
注文した瓶麦酒が、もう、正月仕様だった。
「寿」と書かれたラベルの筆金文字が、輝いている。
年末である。
と感じるのは、テレビ。
番組構成が特集形式になっており、
普段、1時間の番組が、年末スペシャルだとかで、
2、3時間と放送時間が延長されている。
「テレビは1日2時間まで」
なんて、学校の先生に釘を刺されていた時分を懐かしく思う。
学校などは、今週で冬休みの所も多い筈。
炬燵で煎餅でも齧りながら、ついでにテレビにも齧りついている。
そんな家族団欒の光景を今、見られるのだろうかと、いささか不安に思う。
不安の根源は、こうやって見ている、インターネットの普及にある。
テレビの場合は、未だ良かった。
炬燵に入りながら、家族で一つの番組を見られる。
本当はバラエティ番組が見たいけれども、親父の意を汲んで、
ニュース番組を我慢して見ている。
と言う経験も、忍耐や協調性と言う人間形成に対して、
微弱ではあるが役に立っているのかもしれない。
しかし今、家族は、テレビを見ている時間より、それぞれの部屋のパソコンで、
インターネットを見ている時間の方が長いのではなかろうか。
炬燵に入りながら、家族で一つのパソコンに向かう。
なんて言う光景は、成立しないだろうから。
「インターネットは1日2時間まで」
なんて、現代の学校の先生は生徒を諭しているのだろうか。
そう言う先生たちも、テレビゲーム世代だったりするので、
なんだか自己矛盾している様に思う。
一家団欒の形も、変わって行く。