先日。
街の酒処。
注文した瓶麦酒が、もう、正月仕様だった。
「寿」と書かれたラベルの筆金文字が、輝いている。
年末である。
と感じるのは、テレビ。
番組構成が特集形式になっており、
普段、1時間の番組が、年末スペシャルだとかで、
2、3時間と放送時間が延長されている。
「テレビは1日2時間まで」
なんて、学校の先生に釘を刺されていた時分を懐かしく思う。
学校などは、今週で冬休みの所も多い筈。
炬燵で煎餅でも齧りながら、ついでにテレビにも齧りついている。
そんな家族団欒の光景を今、見られるのだろうかと、いささか不安に思う。
不安の根源は、こうやって見ている、インターネットの普及にある。
テレビの場合は、未だ良かった。
炬燵に入りながら、家族で一つの番組を見られる。
本当はバラエティ番組が見たいけれども、親父の意を汲んで、
ニュース番組を我慢して見ている。
と言う経験も、忍耐や協調性と言う人間形成に対して、
微弱ではあるが役に立っているのかもしれない。
しかし今、家族は、テレビを見ている時間より、それぞれの部屋のパソコンで、
インターネットを見ている時間の方が長いのではなかろうか。
炬燵に入りながら、家族で一つのパソコンに向かう。
なんて言う光景は、成立しないだろうから。
「インターネットは1日2時間まで」
なんて、現代の学校の先生は生徒を諭しているのだろうか。
そう言う先生たちも、テレビゲーム世代だったりするので、
なんだか自己矛盾している様に思う。
一家団欒の形も、変わって行く。