今日の夕方。
帰宅途中、ふらりと本屋へ寄った。
店内、そぞろに見ていると、奥の通路に、本が詰められた銀のラックが1体。
ラックに付いているポップには、「セール品」とマジックで書かれている。
本の背表紙を見るに、その大半が料理のレシピ本。
何気なし、手にとって頁を捲ると、良く出来ている。
分かり易く、デザインのセンスも良い。
奥付まで来ると、出版社名。
知らない。
ラックに本を戻すと、大半の本が、その見た事も聞いた事も無い出版社の本。
他にも、目にした事が無い出版社の本が並んでいる。
僅かに遅れて、察しがついた。
これ、皆、昨年、及び一昨年に、倒産してしまった出版社の本ではなかろうか。
値札を見ると、半額から6割7割引きの、もはや叩き売り状態。
昨今の出版不況を思い、いささか悲しくもあるが、購買心をくすぐられる。
そこに陳列されている本が、大半がレシピ本と言うのも、合点がいった。
料理のレシピなどは、主婦の方々、最近はインターネットで検索するのが常識らしい。
と、聞いた事がある。
確かに、各サイトやブログなどで閲覧すれば、無料なのだから、
本の売り上げも伸び悩む訳だ。
ラックに載っているのは、
掴みどころの無い顧客ニーズってやつを、掴み損ねた結果である。
湖にいる魚の群れは、常に回遊している。
一旦は、自分の垂れている釣り糸の下に留まって、餌を食べていたかと思えば、
回遊し、また別の釣り糸の餌を食べる。
その餌が、新鮮であるうちは留まっているが、鮮度が落ちてくれば、また回遊。
回遊魚のいるポイントを掴み、その湖に適した餌を用い、
餌が新鮮な間に釣り上げてしまう事が、重要だ。
その前に、糸がこんがらがってしまうのが、いつもの私の釣りである。