3882声 里の闇

2017年06月24日

蛍狩りへでかけた。
ほたるのその時々の気候に左右されやすいので、
思い立ったときに、「えい」と気合を入れて、
出かけねばならない。
アクセルを踏みっぱなしにして、北上、さらに北上。
夕暮れまでに間に合った先は、群馬県高崎市倉渕町である。
図らずも、お目当ての沢には「ほたる祭り」との幟がたっており、
本日がその当日であった。
車を止めた公民館のような場所には、
筵の上に子どもたちが大勢座っていて、
紙芝居を真剣に観ていた。
奥の席にはその光景を眺めつつ、お茶を飲む市長が見えた。
そそそっと一足先に沢へ移動し、じっと蛍を待った。
ほどなくして、一匹、二匹と青い光が飛び始め、
紙芝居が終わったのか、あっという間に人も蛍も増えた。
気温が19度と低めであったためか、蛍の数は控えめであった。
しかし、「乱舞」というほどではないが、
しっかりとたくましい光を放っていた。
八時半を過ぎるころには、蛍の数に伴って人波もひき、
すぐにもとの里の闇となった。