3890声 ワタスゲ

2017年07月02日

人生=インドアだった僕だけど、冬に続き2度目の芳ヶ平横断に参加した。六合山岳会の皆さんに混ざり、チャツボミゴケ公園周辺から、芳ヶ平湿原の中にある山小屋まで。片道4時間の道のり。

 

朝方まで降っていた雨は止み、途中青空が広がる場所もあった。広い湿原には緑のニョロニョロよろしくシダ植物が茂り、地べたに這いつくばっては銀龍草という茎まで透明な山草を愛でて、足を濡らしながら水かさがました川の上の石を渡った。まだ厚く残雪が残る場所もあった。

 

今日の一番の目的は、ワタスゲの群生地。尾瀬のような木の歩道を歩くと、視界いっぱいにタンポポの綿毛のような白いふわふわが点、点、点と広がった。そよそよと、風になびいていた。見頃は夏のはじめ、まさに今頃らしい。

 

歩道の途中には、見渡す限りのワタスゲとその奥の山々の稜線が望めるベンチがあった。そのベンチには「観光パンフレットの撮影で呼ばれたんじゃない?」というくらいその光景にぴったりな若いカップルが、並んでお弁当を食べていた。

 

「良かったら、二人の写真撮りましょうか?」

 

声をかけた。はい、と言って恥ずかしそうに並ぶ二人。女性が着ていた赤いギンガムチェックのシャツは、まさにこの場所でこそ着るべき服のように思えた。