3892声 表現者たちよ

2017年07月04日

町内で行われた映画のエキストラに参加した。

 

見知った監督・カメラマン・プロデューサーであったので、右手右足を同時に出すような緊張はしなかったけれど、やはりプロの映画撮影現場は空気が濃い。

 

撮影前に、プロデューサーの方と話しをしていて、「今は映像系の学校に通う若者が激減した。先行き不安な世の中だから安定志向なのではないか」という話をした。僕が映画学校の学生だった2000年頃は確かに「映画をやりたい」という若者は少なくはなかったと思う。乱暴な言い方ではあるけれど、その頃の若者の親たちはバブリーではないけれど金銭的にも仕事にも安定した世代で、親にしても子にしても「映画をやりたい」という無茶に付き合えたのかなと思う。そして2020年に手が届く今、金銭的にも仕事にも不安定で、将来が見えない状態の中では「映画をやりたい」という声は小さくなる一方、なのだろうか・・

 

今日の撮影では、主要キャストの他に、彼らの物語を補完する若い役者さんも数人混じっていた。撮影が終われば温泉に入ることもなくすぐに帰るらしい。カメラマンが見据えるのは主要キャストではあるけれど、エキストラは見た!主要ではない若い役者さんもまた、よーいスタートの合図と共に目に光を灯していた。不安定だからと諦める位なら、彼らは今日この場所には立っていないだろう。

 

春より、中之条で11月に開催される「伊参スタジオ映画祭」の実行委員長をやらせていただいている。何はできなくても、表現者たちの味方でありたい。