753声 金曜日には花を

2010年01月22日

今日は金曜日。
つまり、「花金」である。
「はなきん」なんて私語を、墓場から掘り起こして使ってみたのだが、
どうにもやはり、花金なんて言葉を使う風潮は、現代の巷に無い。
その昔は、金曜日に花があった。
なんて書くと、「お前はいくつだ」と突っ込まれてしまいそうだが、
実体験としてそう感じている。
金曜の夜と言えば、街にも華があったものである。
記憶の根は芋づる式に繋がっていて、次々に思い出す。
そう言えば、金曜夜7時半には、「はなきんデータランド」なるテレビ番組を見ていた。
今頷いている読者諸氏は、若くない筈。
確か、「ミュージックステーション」の前に放映していた番組で、桂文珍さんが司会だった。
私は未だ小学生、中学生時分だったが、あの華やかな番組セットを見つつ、
明日に控える土曜日と、魅惑的な日曜日の待ち遠しさを噛み締めていた。
金曜日には、浮き立つような足取りで、学校から通学路を帰ったものだった。
年齢の為か世相の為か、あるいは懐具合の為か、金曜日と言えど、
感慨は薄くなってしまった。
街に出掛ける回数も、めっきり減ってしまった。
雪崩式に金曜日を転げ落ち、はっ、と気付けば土曜日の朝。
と言う具合だから、土曜日だって、満足な過ごし方が出来ない。
金曜日。
少しは、自ら摘んできた花を添えてみようかと思う。
そうすれば、私の週末が幾らかでも華やぐかも知れない。