770声 安吾、清張、諒一

2010年02月08日

今日、帰路の途中、所用があって、本屋へ寄った。
閉店時間に近い店内。
煌々と照らす蛍光灯の下、詰襟の高校生が数人、少年雑誌を立ち読みしている。
クラッシック音楽が悠々と流れる、本屋特有の穏やかな時間。
知り合いの店主と、レジ横でしばしの立ち話。
話は意外な所へ転がって、安吾と清張の話になった。
この「安吾」とは、勿論、坂口安吾の事で、「清張」とは松本清張の事だが、
興味深い話だったので、要点を記す。
「安吾と清張の本を購入して行く女性は、美人の割合が多い」
と言うのだ。
およそ、無頼派デカダン文学及び、社会派推理小説などとは結びつかない様な、
颯爽とした美人が、これらの作家の本を手に取っている。
店主の業務上経験に基づいた考察なので、信憑性は高い。
そう言えば、安吾の無類の推理小説好きで、第2回探偵作家クラブ賞などを受賞した、
推理小説の名手でもあった。
そして、清張もまた、第10回の探偵作家クラブ賞を受賞している。
この二つの関連性から、導き出される答えは、などと、推理小説仕立てになってきたが、
「推理小説」ってのは、女性人気が高いのかも知れない。
電車内。
斜向かいの席に腰掛けて、熱心に文庫本を読んでいる女性。
居住まい、容姿が端麗であるその女性が手にしているのが、「明治開化安吾捕物帖」。
だったりしたら、私などはもう、ノックアウトである。
妄想は加速して、この日刊「鶴のひとこえ」に辿り着く。
毎日読んでくれている、読者の女性陣は…。
いや、言いますまい、言いますまい。