771声 爽快な深酒

2010年02月09日

先日、2軒目に流れた店が、韓国料理屋だった。
全体的に力が漲っている女将さん、韓国流に言えば、オモニさんが一人で切り盛りする、
路地裏のこじんまりとした店である。
そこで頼んだ酒が、マッコリ。
「マッコリ」とは、韓国における、大衆醸造酒の一つ。
米を主原料に製造されるので、日本で言う、「どぶろく」似ている。
熟成を感じさせる見た目に反して、アルコール度数は約6%と軽く、
麦酒と同程度なので、飲み易い。
乳酸菌で発酵させているので、仄かな酸味を感じ、口当たりが良い。
自らの酒歴の中、初期から飲んでいる酒に当たるのだが、飲む機会は極めて少ない。
「明日がある」
と言う事を念頭にしながら、杯を手に取っているのだが、
どうも、ブレーキの掛かりが悪い。
麦酒やマッコリの類、つまりはアルコール度数が軽く、口当たりの良い酒になると、
殊更、速度が落ちない。
かえって、重たい、フルボディの日本酒やウイスキーなどの方が、
拍車が掛からずに済む場合がある。
その日も、甕の中に入っているマッコリが、どんどん減って行く。
店内、テーブルを囲むのは、私等2人。
斜向かいの席には、薄らぼんやりと、焼酎を飲んでいるおやっさんが1人。
店内に響き渡るのは、オモニさんの元気な濁声。
剛腕なテニスプレーヤーが放つ、渾身のサーブの如く突き刺さる、その声に圧倒され、
会話に相槌を打ちながら、自ずと手が杯に伸びている。
結果、結局、深酒。
いささか覚束ない足取りで、ネオン瞬き女衒蠢めく酔街を抜け、
辿り着いた伊勢崎駅から、両毛線で帰路へと着いた。
翌朝目覚めると、なんと、快適な目覚めな事。
二日酔いの予想は見事に外れ、平静時よりも調子が良いのではないかと言う、体調。
飲む前は若干不調だったので、尚更、体調が好転した事に吃驚。
激辛韓国料理のつまみで飲むマッコリか、はたまた、
激辛韓国濁声のオモニによる一歩通行の会話か。
何れにせよ、何処か胸の内が「スッ」とした、爽快感を感じた。