3611声 ジャックダニエル

2017年10月01日

いつもこの時期に開催される、やや大きな句会のため、
京成電鉄へ乗って成田山へ行ってきた。
昨年同様、秋晴れの一日。
ご縁日の日と重なり、門前には大型バスが連なり、境内は特に海外の人で大賑わい。
人手が多いためか、気温の関係か、昨年はあれほど目についた蜻蛉の群れが、
今年は一、二匹雲間に漂っている程度であった。
このごろは句会に参加というよりも、裏方として運営という具合になっており、
本日の句会も、自身の俳句はそぞろに句会を終えることになった。
帰り際、成田駅前のBarに立ち寄った。
土地柄、客の大半は外国の方で、
身長二メートルはあろうかと思われる屈強な男たちで賑わっていた。
店内は二階建てで、一階は立ち飲み、
二階は小さなテーブルとプラスチックの椅子が置いある簡素な造りである。
外国の方たちは、一階にひしめき合いながら、
ジャックダニエルをストレートで飲んでいた。
ややあって、一階へ麦酒を買いに行くと、外国の方の一団は煙のように消えており、
カウンターの奥に、バーテンダーの女性が一人だけであった。
開けっ放しの窓から、秋の風。
今日の中で唯一、俳句が生まれそうな瞬間であった。