3734声 2018年1月回顧録〈其の二〉

2018年02月02日

高崎駅に着くと、すぐにすーさんと岡安さんがやってきた。
今回の俳句ing参加者は、私を含めこの三人だった。
かろうじて句会のできる人数。
だるま市でにぎわう市内を吟行し、ハンバーガー店でプレ句会をした。
正月二日に空いている、かつ本格的なハンバーガーを出す、市内では貴重な店である。
店内は多国籍な客層で、正月らしいのかどうか、とにかくにぎにぎしい雰囲気であった。
そんな中、句をしたため、特大のハンバーガー片手に小声で披講し、句会を終えた。
外国の方に、「さっきから何をやっているのか」、「俳句とは何か」、
など問われたらどうしようかと思っていたが、幸い杞憂に終わった。
ハンバーガーを麦酒で流し込み、閑散とした中央銀座を抜けてふらふらと駅を目指した。
この日のメインの句会場は、高崎オーパ七階の「シンキチ醸造所」。
白っぽい照明の下、フードコートの厨房の中に堀澤さんがいた。
青白い顔だ。
のみならず、体全体から醸し出ているオーラが青白かった。
間違いなく、正月の大型商業施設の華やかなオーラとは、一線を画していた。
年末年始の疲労か、つまりはダウン寸前状態で、しばらくすると風に吹かれるように、
フードコートの脇の暗がりへ消えて行った。
消える前、紙切れを一枚受け取った。
見ると、一句したためてあった。
世辞抜きに滋味ある句だった。
「命を削る」という表現があるが、そのくらい頑張っていると、
様々なものが削げ落ち、物事の本質が見えてくる、
あるいは自身の本質に迫れるのかも知れないと思った。