3747声 気力

2018年02月15日

あたたかで心地よい日和であった。
今年はじめて、「春」とつけても違和感のない風の心地。
昼、行きつけの定食屋に寄った。
カウンター七、八席くらいだけのこじんまりというか狭小な店。
人気店である。
入り口の暖簾はちぎれている。
弁当もやっているので、昼時にはそれを待つ長い列ができる。
厨房には夫婦が忙しく働いているのだが、
その威勢といい、身のこなしといい、いつもちゃきちゃきしていて、
清々しささえ覚える。
そういう店だから一人客が多く、みな長居せず、さっと平らげてさっと帰る。
一度食べれば誰もが気づくと思う、
米一粒にまで神経が行き届いているというか、
この夫婦の「気力」が定食の隅々にまで行き届いていることを。