3890声 マーチ

2018年07月09日

18か19歳の夏。どの地域にも「いのいちばんに自動車免許を取ろうと躍起になるやつ」はいるもので、僕らの友達内ではタケシが取得した。親の車だったのか、買ってもらったのか小さなマーチに乗って、その夏彼はやってきた。男ばかり5人、18か19歳と言えば体はもう成人と変わらない。ぎゅうぎゅうで、冷房をかけても暑くて、カースレテオからは(今思うと恥ずかしい)ゆずの「夏色」がリピートされていた。道中のことはよく覚えていない。その年ならではの、あいつは誰々と付き合っているとか、そういうくだらない話ししかしなかったことだけは確か。

 

そうして、むんむんとした男たちを乗せたマーチがヒーコラ向かった先は、海だった。