902声 第900声及び上荷付場バス停復元記念特別企画「寅次郎ハイビスカスと花豆」後編

2010年06月20日

こんばんは、お待たせ致しました。
なんだ、昨日見た顔ばかりだね。
いや、結構結構、ありがとうございます。
今日は、いよいよ最終回の後編をお届けいたします。
今までの回を見逃がした方、安心して下さい。
今日から読めば大丈夫。
実は、内容があるのはこの一回。
いやいや、さて、丁度時間となりました。
では、昨日の続きからはじめます。
最終回の、はじまりはじまり。
私が一緒に撮影に行ったのは、勿論、「寅さん」。
ったって、それは一体、どこのどちらの寅さんか。
「尾瀬の寅さん」
いや、今は引っ越して「信州の寅さん」。
でも、何れは「安中の寅さん」。
まぁ、ちとややこしい。
要は、折角バス停が復元したんだから、この寅さんとそのバス停に行って、
あの名シーンも復元してみようじゃないか。
ってのが、今回の企画の発端。
当日はまさに、映画のスクリーンから抜け出た様な青空。
山越え谷越え、辿り着いた上荷付場バス停。
その佇まいは、確かに映画の中にあった、あのバス停。
早速、バス停の中、寅さんに立ってもらうと、映画のワンシーンそのまま。
とまでは行かないが、眼前の風景と記憶の風景が交錯し、
どこか映画の中にいるような心持で、カメラを構えます。
濃い夏の日盛り、静まり返ったバス停で、いい大人が2人して映画のワンシーンを再現。
時折通る、坂道を上って行く車は、皆、減速しながら私たちの横を通り抜けて行きます。
丁度その時、坂を上って来る、一台のバス。
すれ違いざま。
バスに向かい、持っている団扇を振る、寅さん。
しかし、ここは正規のバス停で無いし、バスの方も路線バスでないので、
当然、停まる訳きゃ無い。
がっくり肩を落として、バス停に戻って座り込む、寅さん。
その光景は、まさに、映画の状況と酷似しておりました。
映画では、通過したバスが停まり、リリーがバスを降りて駆けて来ますね。
現実は、そう上手くは行かなかった。
静まり返ったバス停から眺める、山々の風景。
そこに四角いフレームが現れ、真ん中に浮かび上がってくるのは、「終」の文字。
そんな映像が、見えた様な気がして振り返り、寅さんの背中にそっとかける、ひと声。
「さて、行きましょうか」