サウナ。
と割り切れればまだ良いのだが、この部屋、高温多湿による不快感が甚だしい。
扇風機でなく、クーラーを電源を押せば、直ぐに快適な室温になる。
と言う短絡的な方法を実践してしまうと、今夏を過す体力が培われないような気がして、
暑さに耐えている。
梅雨の熱帯夜は、ほとほと、不快である。
ここはひとつ、冷たい麺でも手繰り込んで手軽に夕餉を済まそう。
と思い立ち、勤め帰りにスーパーで、乾麺の冷麦を買って帰った。
台所に立ち、早速、冷麦を茹でようと鍋と笊を用意した時点で、気が付いた。
「めんつゆが無い」
茹でたての麺に、生醤油をかけて食べるのは、いかにも讃岐流であるが、
今、袋を開けようとしているのは、安物の乾麺。
喜ばしくない結果が、容易に想像できる。
なので、めんつゆも拵える事にした。
よくよく考えてみれば、こちらの方が、喜ばしく結果を招く確率が高かったのだ。
まず、冷麦を茹でる。
鍋の中、沸騰した湯に一束入れたのだが、なんだか、想像よりも麺が太い。
菜箸で掴み上げると、素麺の倍くらいである。
3,4分茹でて笊に開け、水にさらして粗熱を取る。
次は、つゆを作る。
先程の鍋の中に、醤油、水、ほんだしを入れ、かき混ぜながらひと煮立したら、完成。
硝子の器に氷水。
その中に冷麦を泳がせる。
そこまでは問題無く料理が進行していたのだが、つゆも冷たい方が良かろうと思い、
温かいつゆの中に、氷をどかどか入れて冷やす。
それによって、冷たくはなったが、当然の如く、つゆが薄くなってしまった。
それを補う為、醤油をどばどば入れので、もう何だか、只の塩辛い醤油と言う具合である。
「ずるずる、ずるずる」
とやって見たが、美味くない。
結果、半分残した。