3973声 今である

2018年09月30日

一日中バタバタと、外は嵐の前の暗い静けさの中、ザブンとシンキチと家を往復する。今月一杯で倉林君がやめてスタッフが入れ替わり、来月から本格的に違う体制になる。はたしてどうなるか。お客さんは来てくれるか。少し前に書いたが、人間は多く、記憶の中でばかり生きていると、この頃よく思う。例えば日本の戦争は、それを経験していない私にとっては遠い昔のことだが、そのときすでに生きていた人にとってはつい最近だ。老いてくると、夢は昔の出来事ばかりになり、挙げ句平気でぼけて今がわからなくなる。いったい何が真実なのか。私は個人的には、記憶の中で生きてしまう人間というものを肯定的にとらえている。しかしながら一方では、大事なのは今である、という真実も嫌というほど味わってきた。倉林君がやめることになり、スタッフやお客さんが寂しいと言うんだが、私はそのときはよくわからず、あとから寂しくなるタイプらしい。記憶の中で生きてしまうタイプである。しかしながら、大事なのは、今である。