921声 味噌胡瓜

2010年07月09日

今日、行きつけの食堂のおばさんに、胡瓜を沢山頂いた。
何でも、プランターで自家栽培しているらしい。
成程、定食に付いてくる、茄子と胡瓜の糠漬けの味が、絶品であった。
早速、自宅へ持って帰って、水で洗いし、一本かじってみた。
味が、極めて濃厚である。
量販店で袋詰めして売っている胡瓜とは、やはり一線を画す。
こちらの方は、見た目から言って、野性感に溢れている。
その形は、捻り曲がっている無骨な頑固者と言った印象である。
コイツは畳の上で死ぬようなたまではあるまいと、
塩を擦り込んでバリバリと、手掴みで丸かじりした。
そう言えば2、3年前。
飛騨高山を訪れた際に、露店で売っている胡瓜を食べた。
その露店は、味噌蔵の実演販売。
買った胡瓜に名物の赤味噌を塗り付けて、丸かじりにする。
真夏の炎天の下、水で晒した胡瓜と赤味噌の味は、これまた、格別だった。
格別なのだが、赤味噌を塗った胡瓜の見た目と言うのは、どうにも解せないものがある。
味噌をどう塗っても、一向に美味そうな見た目に仕上がらない。
味噌を塗ったくられた胡瓜も、あの時ばかりは、
どこか恥ずかさの裏に、そこはかとない悲しさが見え隠れしていた。