4009声 憧れ

2018年11月05日

2つ前の投稿で紹介した「秋、酒蔵にて」の所謂クロージングパーティー的な会にて。その日の料理は館林にある「ランゴリーノ」の行き過ぎたシェフ(敬意を込めて)カズくんによるものだったが、生牡蠣のようなフレッシュな生ムール貝が美味だった。モノづくり作家さんから日本酒「義侠」のレアな古酒も飲ませていただく。いつになく上機嫌になってしまった。作家たちの代表・吉澤良一さんから「岡安しゃべれー」とフリが飛びマイクを握る。

 

「今回は食とモノがテーマでしたね。僕はどちらもおそろかな人生を送ってきました。コンビニのポテトサラダをチューチュー吸って飯にする日もあるし、会社で使っているカップだってイベントでもらったプラスチックのマグカップです。僕は広告作りだったり映像を撮ったりしていて、最近ふと“本物への憧れ”が自分の原動力であることに気付きました。本物の生き方ができないからこそ、憧れながら何かを残したいと思っているようです。でも僕ももうじき40になり、憧れるだけじゃなくて自分の生活を豊かにしないともうダメだなとも思っています。食事については前よりは少しは気を使うようになりました。モノについてもこれからは、きちんと良いものが使えるようになったら良いなと思っています」

 

みたいなことを話したと思う。それを聞いたから、というわけではなく「今回このイベントに献身的に関わったお礼」と、数人の作家さんから作品である皿やぐい呑をいただいてしまった。我が家において、それらは「場違いな家に来ちまったぜ」という異彩を放っている。それらが普段使いできる暮らしが、僕に送れるだろうか。