928声 虫のいい話

2010年07月16日

我が部屋の中を見回すと、改めて、時候外れの野暮ったさを痛感する。
テレビの横、結婚式の引き出物の上に置いてあるのは、香典。
衣文掛けを見ると、アロハシャツの隣にコートがかけてあったりと、
冠婚葬祭春夏秋冬が混ぜこぜ状態になっているのである。
こんな部屋に居ながら、一応は花鳥風月に思いを馳せ、
毎日、俳句の一句でも捻ろうってんだから、虫のいい話である。
今宵、窓から雨上がりの夜風に乗って聞こえて来る、虫の声。
「リィィリィィリィィ」
と鳴いてるあの虫は、マツムシではなかろうか。
だとすると、梅雨明け前夜の今日では、出番がちと早い。
時候すら覚束かぬ時世だと言う事なのだろうか。
まぁ、虫なんてどうでもいい話。
なんて、大人は軽々しく言うが、そんな事を言ってられないのが子供連中である。
明日ないしは来週20日から夏休みに入る子供たちは、
しばらく、虫取りが仕事になるのだろう。
そして、宿題の絵日記には、虫のいい話が沢山記される事と思う。