4018声 続・山場

2018年11月14日

山場を登っている。

 

午前四時半に岩櫃(いわびつ)山のふもと、平沢登山口に集合。ヘッドライトをつけた6人ほどのパーティーになる。今月2度目の岩櫃山での朝日撮影である。真っ暗な山道をずんずん登っていけるのは、先を行くのが山のスペシャリストであるからと、僕自身日中の勝手知った山だからだろう。1人でもし知らない山を目の前にして「日が登るまでに山頂に登れ!」と言われたら、きっと泣く。しゃり、しゃり、しゃり。10日くらい前にも登ったのだが、落ち葉がずいぶんと増えた。僕が気づかない間に、季節はどんどん去っていく。夜明け時刻の30分ほど前にほぼ山頂である9合目についた。

 

Hさんが、気をきかせて湯を沸かしコーヒーを入れてくれた。この仕事は僕はサブカメラ。メインとなるOさんは、レンズの着脱もできるドローンの準備を初めている。熱いコーヒーに口をつけ、山の下を見下ろすと、「ちっさい町だなー」と日頃思っている東吾妻町原町でさえも、ずいぶん多くの光がまたたいている。あ、そんなことはこの前も書いたか・・

 

前回は雲が多くて、狙っていた日の出が撮影できなかった。今日も雲の心配はあったが、日の出時間から遅れること10分くらいで、雲の上から黄色い太陽が差した。ドローンが撮影している映像を別モニターで見させてもらったが、「ここをドローンで撮影しなければドローンなんていつ使うの?」と言うような見事なカットが撮影されていた。まっくらな画面から徐々にカメラが上がっていき、岩櫃山のほぼ全景の稜線が見えてくる。カメラはさらに上がり山の上空を越えて行こうとする。黒く広大な山のシルエットの先は、白い雲海と小さく光りだした朝日。奥の山々は青白くどこまでも広がり、白い靄がかかった街並みは上等な絹をまとった様だ。そしてカメラは・・山を越えた。

 

今後、山から谷や洞穴に場所を移し撮影を行う。完成が楽しみだ。