4024声 高崎グラフィティ。

2018年11月20日

伊参スタジオ映画祭では11/24(土)に『高崎グラフィティ。』を上映する。
 
今年の春で32回を数えた「高崎映画祭」は偉大な映画祭だ。その発起人であった茂木一男さんはもちろんのこと(まだご存命の時に山形映画祭でばったり会って「伊参はいい映画祭だよ」と言ってもらった事がとても嬉しかった)、現ディレクターの志尾睦子さんは僕にとってのアイドル・・違うか、映画と深く関わる姿勢に、ずっと刺激をいただいている。
 
高崎との関係といえば、伊参のメイン企画である「シナリオ大賞」作品は、2014年の『震動』『独裁者、古賀。』の上映を皮切りに、今年に至るまで高崎映画祭で毎年上映していただいている。高崎映画祭での上映に立ち会った伊参関連監督も皆たいへん喜んでいるし、同じ群馬の映画祭として関係できることは、とても嬉しいことだ。・・と、前置きが長くなりましたが・・
 

 
今年の伊参スタジオ映画祭の上映作品が何がいいか悶々と考えていた時に、高崎の駅前を歩いていて、『高崎グラフィティ。』の大きな横看板を見つけた。今年の高崎映画祭でクロージング上映を飾ったそれは、調べるにオール高崎ロケ映画だという。しかも、未完成予告編大賞という「映画の予告編をまず作り、これは本編が見たいぞ!という最優秀作品を映画化させる」プロジェクトの第一作目。シナリオ大賞もそうだけど「映画の作られ方」としても面白いではないか。興奮しながら上映中だったシネマテークたかさきへ足を運んだ。
 
電車に乗ってしまえば東京はすぐ側だけど、都会とは言い難い町、高崎市。『高崎グラフィティ。』は、高校卒業を迎える5人の若者の葛藤を、実にストレートに描いた青春映画だった。アーケード街から河原まで、高崎という場所のドキュメントでもあり、演じる若者も・・まだ何者かになれていない自分を役に投影しているかどうかはわからないが、その年齢でしか出せない表情を見せる。で、若者に混ざり短い時間でも後引く個性を見せるのが渋川市出身の渋川清彦さん。映画のはじめから終わりまで、「映画を作るんだ!」という熱を帯びた熱い作品だった。伊参スタジオ映画祭の今年の上映候補に推した。
 
当日は、川島直人監督と、本編撮影前の予告編大賞の段階ですでに役者として関わっていた佐藤玲さんがゲストで来場する。多くの人に観てもらいたいのは当然なのだけど、「高崎に暮らしているけど、この映画を見逃してしまった」という高崎市民のアナタ!には特に観ていただきたい。