937声 虹の橋

2010年07月25日

巨大な光の輪が、地面に刺さって半分顔を出している。
その輪が放つ光彩は七色。
すなわち、虹である。
夕立が過ぎて、ふと窓を眺めると、曇天に弧を描いて輝く、虹。
庭先へ出て、その全景を眺めてみると、裾の方には寄りそって架かる、もう一つの虹。
つまり、二重になっていたのである。
一方は霞んで弧を描いていなかったが、山に沈み行く夕日が映写機の如く、
曇空の白いスクリーンに映し出す虹は、とても、幻想的な眺望だった。
裏の田んぼ。
犬を散歩している人は、足を止めて犬と一緒になって眺めているし、
わざわざ車で田圃までやって来て、眺めている夫婦もある。
眺める者のたましいは、虹の橋を渡って行く。