つい先日の事。
宴もたけなわになった、酒席。
その後片づけに、皆、皿を運んだり、テーブルを拭いたり。
台所と居間を、行ったり来たりで、立ち働いている。
私は、窓脇の袋棚に腰掛け、団扇片手に、その光景を眺めていた。
酔いが回った覚束ない手元で、皿の2,3枚を割るより、
部屋の隅で静かにしている方が、得策ではないか、と思ったからである。
その心積もりが、当然、座の一堂に伝わる筈無く、
気の利かぬ不精者と言う印象を与えてしまった。
「すまぬ」
と心では思っているのだが、弁解の気持ちが団扇の爽風で、掻き消えてしまう。
私の知人に、「猫屋敷の女将」と言う人がある。
この日は、猫屋敷の女将が、元の猫屋敷から、新たな屋敷に引っ越したお祝い。
その引っ越しを手伝った人を労う、という名目で、夜、宴会が開かれた。
引っ越しも一切手伝わずに、宴会に潜り込んだ客。
と言うのが数名居り、私もその組の一派であった。
むしろ、話の運びでは、その一派の旗頭と言う印象らしい。
更には、手伝いもせずに豪勢な料理と大酒を食らっている。
挙句の果てに、後片づけもせずに、団扇を揺らしているなんざ、
我ながら、奸物だと思う。
その奸物に、心優しき人がお声掛け下さる。
「今、考えてますか」
「えっ、と言いますと」
「今日、書く事を、です」
書く事。
ってのは、即ち、この日刊「鶴のひとこえ」の事だと、
酔眼朦朧としながらも気付いた。
「まぁ、そんなところです」
なんて、悠然と嘯いたが、実際は、残り物をつまみ食いしようと思案していたのだ。
いよいよ、放つ言動が、自らを奸物足らしめてきた。
いささか、長くなりすぎました。
この続きは、また明日。

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