さてさて、昨日の続きから。
夏場なので、残った御馳走は、処分してしまう。
と言う旨の話し声が台所から聞こえて来たので、
私は焦燥感に駆られて、書く事どころではなく、ともかく食う事に徹した。
よって、大いに食い過ぎてしまったが、猫たちが居ないので、
捨てるよりは良いと思った。
この日、以前の猫屋敷に居た、女将の猫たちは、まだ引っ越して来ていなかった。
たしか、3匹ほどは居たろうか。
その変わりに自宅へ帰れなくなった酔っぱらいが、居間で数名、ひっくり返っている。
この新たな屋敷は、以前の猫屋敷と比べると部屋数も多く、
1、2階に空き部屋が多数ある。
にも拘らず、部屋の方々で人間がひっくりかえっている様は、
やはり、以前の猫屋敷を私に連想された。
この新たな屋敷が、以前の如く猫屋敷になるもの、時間の問題かと思われる。
私は、独り、2階の風通しの良さそうな6畳間で寝た。
そして翌朝、私が起床した時には、あっさりと全員居なかった。
居間の横を通ると、猫屋敷の女将が、独りぽつねんとテレビを見ていた。
私は台所へ行って、コップに蛇口の水を注いだ。
コップを口に着ける瞬間、見えた。
コップの底に浮遊している、黒い物体が。
フライパンのこげの如きその黒い物体が、何であるかは分からないが、
差し当たって、人体に目立った害は及ぼさないようである。
何故なら私が、夜半に水道の水を、がぶ飲みしていたが、現在、
至って健康状態は良好である。
二日酔いも無く、若干感じる胃もたれの原因は、今朝方の来訪者の方に頂いた、
コンビニのマンゴーパフェにある。
叩き起こされて、マンゴーパフェを平らげて、また寝たのだ。
ともあれ、引っ越して直ぐ、と言うのは、長年放置の故か、
水道管も本調子でない様子。
台所に差し込む朝日に、コップの水を透かしながら眺めると、黒い物体と一緒に、
そこに「書く事」が浮いていた。
ように見えた。
それを持って帰って来て、この文章でお披露目。
しかし、あの物体の正体は、一体何だろか。
以前にも、古民家の水道で、何度か見かけた事がある。
「こら、余計な事書くな」
と言う猫娘のごとくいきり立った、猫屋敷の女将の顔が、容易に想像できる。

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