952声 昼行灯考

2010年08月09日

先日、財布を落とした事が響いているのか。
それとも、お盆休みが近づいて来て弛んでいるのか。
自らの体内における、「活力」が乏しい。
言うなれば、昼行灯の如き状態だろうか。
「昼行灯」
と人は揶揄する。
いやいや、案外、捨てた物じゃないと、私は思う。
夜がくりゃ、大いに重宝じゃないか。
夜は、必ず来るのだから。
「行灯ってのは夜になったら灯ける物だ」
と人は指摘する。
いやいや、夜になって灯けたんじゃ、シケて灯かないかも知れない。
そうしたら、昼行灯に頼るしかないじゃないか。
だけど、往々にしてそれは、夜が明けきらぬ内に燃え尽きてしまうだろう。
夜が来ずとも、空に暗雲立ち込める時。
昼行灯の光が、煌々と闇を照らす。
夜を待っていた行灯たちは、慌ててその火を貰って灯る筈である。
やはり、昼行灯。
捨てた物じゃないね。