954声 書店巷談 後編

2010年08月11日

昨日の続き。
店内レイアウトも分かり易く整理され、本もテーマ別で陳列されているので、
書籍陳列棚を眺めているだけで、買いたい本が山ほど見付かる。
そんな堅実な書店なので、また読書の秋がくれば、客足も戻って来るだろう。
などと、楽観視している、私。
だから、本たちが親孝行してくれないのか。
会話の中、いつも私は、店長に同じ質問をしてしまう。
「最近はどんな本が売れていますか」
「情報誌の○○なんか、結構、出てますねぇ」
「そうですか、やはり情報誌は強いですね、文芸では」
「文芸では○○。しかし、売り上げの大半を占めるのは、やはり実用書ですから」
「そうですか」
「7,8割を占めていますね」
「やはり読者は、実用的かつ鮮度の高い情報を求めるのですね」
「はい、それも、今日得たら今日使える情報を」
高度情報化社会。
なんて言葉は、当節では当たり前すぎて恥ずかしいくらいだが、
現代社会はそうなっている。
情報を得られるソースが多様になり、かつ、簡単に得られる。
消費者は、夏の日盛りに書店へ足を伸ばすより、クーラーの効いた室内から、
携帯情報端末で、情報を閲覧する傾向にあるのだろうか。
かく言う私だって、毎日インターネットを閲覧している。
店長から、伊勢崎市の老舗古書店が閉店セールをやっているとの情報を伺った。
そこは、以前から、郷土関係書籍を豊富に取り揃えている事で有名な店。
「掘り出し物が沢山あるよ」
との事なので、今月中に、一度足を運んでみようと思った。
今日得た情報を明日に消すのか。
今日得た情報を明日に残すのか。
後者の実現を成してこそ、高度な情報化社会と言えるのではなかろうか。
黴の生えたような古本ばかり漁っている私が、言うのもなんだが。