988声 もの思わせる秋

2010年09月14日

未だ、コンビニへ寄った際にはアイスコーヒーを買っている。
しかし、今宵に吹き来る秋風は、私にホットコーヒーを恋しくさせた。
いつになく、随筆調な書き出し。
どうやら筆者、秋気が澄み、虫の音が響き渡る夜風が、身に沁みているらしい。
実は、ここのところ数日、寝不足である。
仕事などで徹夜している訳では無く、只、こうやって、
机の前に座ってあれこれ考えていると、忽ち、夜半。
それからどうにか、冷や汗をかく思いで、文章に目鼻を付け、ここに載せる。
時刻は既に、丑三つ時。
急いで、寝床にもぐり込む。
潜り込んでから、付けた目鼻がチグハグになっている事に気付き、
腑に落ちない心持を抱いたまま、眠るのである。
寝不足なので、当然、昼間眠い。
なので、コーヒーを飲む頻度が著しく増えているのだ。
懐具合から考えても、とても効率が悪い。
では毎晩、サラリと書いて、スラリと寝れば良い。
それが出来ない。
秋が拍車をかけて、毎晩、「もの思わせる」からだ。
もの思いに耽っていると、本棚の黒い背表紙。
「もの思う葦」
なんて言う太宰治の新潮文庫が目に止まって、読み始める。
巧みなる弱さ。
改めて感じて、また本棚に戻して、虚空を見つめる。
とりとめもない考えを、ひとつ引っ張り出して、終える。
例えば100万円の車を買う時、10万円のオプションなど、微々たる金額に感じる。
かかる10万円を、目前の100万円と比べているからである。
その伝で、大きな希望を持っていれば、小さな絶望に直面した際、
翻弄されずに済むのではないか。
かかる絶望を克服する為に必要なのは、広大であり巨大な希望である。
【天候】
終日、雲が泳ぐ秋晴れ。
黄昏時、夕立が足早に通り、秋気澄む。