未だ、コンビニへ寄った際にはアイスコーヒーを買っている。
しかし、今宵に吹き来る秋風は、私にホットコーヒーを恋しくさせた。
いつになく、随筆調な書き出し。
どうやら筆者、秋気が澄み、虫の音が響き渡る夜風が、身に沁みているらしい。
実は、ここのところ数日、寝不足である。
仕事などで徹夜している訳では無く、只、こうやって、
机の前に座ってあれこれ考えていると、忽ち、夜半。
それからどうにか、冷や汗をかく思いで、文章に目鼻を付け、ここに載せる。
時刻は既に、丑三つ時。
急いで、寝床にもぐり込む。
潜り込んでから、付けた目鼻がチグハグになっている事に気付き、
腑に落ちない心持を抱いたまま、眠るのである。
寝不足なので、当然、昼間眠い。
なので、コーヒーを飲む頻度が著しく増えているのだ。
懐具合から考えても、とても効率が悪い。
では毎晩、サラリと書いて、スラリと寝れば良い。
それが出来ない。
秋が拍車をかけて、毎晩、「もの思わせる」からだ。
もの思いに耽っていると、本棚の黒い背表紙。
「もの思う葦」
なんて言う太宰治の新潮文庫が目に止まって、読み始める。
巧みなる弱さ。
改めて感じて、また本棚に戻して、虚空を見つめる。
とりとめもない考えを、ひとつ引っ張り出して、終える。
例えば100万円の車を買う時、10万円のオプションなど、微々たる金額に感じる。
かかる10万円を、目前の100万円と比べているからである。
その伝で、大きな希望を持っていれば、小さな絶望に直面した際、
翻弄されずに済むのではないか。
かかる絶望を克服する為に必要なのは、広大であり巨大な希望である。
【天候】
終日、雲が泳ぐ秋晴れ。
黄昏時、夕立が足早に通り、秋気澄む。